「まさか」を「もしも」に変える。避難所で“ヒーロー”になるための5つの新常識
最近は、避難所でもダンボールのベッドやトイレなどが当たり前に備蓄がされるようになってきました。
そのことで、避難時に、これらがまったく無い時と比べれば、一定の快適さは確保されつつあります。
一方で、実際に避難した場所すべてにそれが用意されているかは、実際に災害が起きるまではわかりません。
備蓄倉庫自体が被災してしまったり、備蓄倉庫から届かなかったり、届いても全員分無いことだって考えられます。
こうした時に大事なのは、「自助」=自分の事は自分で守るの知識と、さらに弱い立場にある人を守り、助けてあげられる知識です。
これらが備わっている子どもたちを「被災地のヒーロー」と呼び、そのヒーローになれるための講座を私たちは行っています。
防災の講座はどうしても子どもには難しく、硬くなりがちなものを、工作やクイズを中心に伝えることで、興味を持ってもらうことを目的としています。
その内容や流れを、5つのポイントにまとめたのが、本記事となります。
※時間や内容によってすべてをお伝え出来ない場合もあります。
※工作内容は、他のコンテンツに変更する場合もあります。
「あたりまえ」が消える日

「自分だけは大丈夫!」
「大きな災害なんて、そうそう来ないよね」
…って、つい思っちゃいませんか。
正直それ、すごく“ふつう”です。
僕もそうです。
毎日忙しいし、目の前のいつもの生活が最優先で、「もしも」なんてゆっくり考える時間なんてありません。
でも、災害というのは、その”「いつも」当たり前にできていたことが、急にできなくなる事” って思うと、少しドキッとしませんか?
たとえば、
- 蛇口をひねっても水が出ない
- 暗い部屋が部屋が明るくならない
- いつものお店が開いてない
- 家に帰れない
こうなった瞬間、私たちは「被災者」になります。
ただ、ここからが大事。
災害のときって「誰か助けて…」と待つ側になりがちですが、ちょっとした知恵と、ほんの少しの遊び心があると、あなたやお子さんが避難所で“助ける側”に回れることがあります。
この記事では、そのための「新常識」を5つ、やさしく紹介します。
①「自分は死なない」を手放すのが防災の第一歩、スリッパで歩む第二歩目

防災って、防災リュックをそろえたり、備蓄をしたりすることから始めるイメージがあるかもしれません。
でも本当のスタートは、もう少しだけ前にあります。
それは
「自分は大丈夫」
「自分だけは死なない」
という考えに気が付くこと、です。
こう思うこと自体が悪い事ではなく、だれもが普通に持ってる心のクセ(正常性バイアス)なんです。
だから、
「そこまで被災することはないだろう」
「お金かかるし、また今度にしよう」
そう思って、防災グッズや備蓄をそろえない人も4割程度います。
(参考)ミドリ安全.com 2025年の調査によると防災備蓄率は59%と言われています
そして、防災の備蓄や避難リュックも大事だけど、意外と見落とされているのは、「室内スリッパ」です。
どんなに備蓄をし、避難リュックがあっても、その場所にたどり着くまでに足を怪我してしまう事もあります。
特に、地震の後は、様々なものが床に散乱し、もし足を怪我してしまえば、そのあとの非難に大きな影響を与えてしまいます。
(我が家はキレイだから大丈夫! は、正常性バイアスの可能性もあります)
そうした、意外な気付きから、工作に落とし込んで作るものが「新聞スリッパ」。
ぺったんこに折りたたみができるので、部屋のあちらこちらに挟んで置いておける優れものです。
安くて、親子で楽しく作れる、避難のための最初の命綱 になります。
※実際に作ってもらう工作を行います。
②室内のケガ、原因の約半分は「家具」だった

地震によるケガのうち、約30%~50%が、家具類の転倒・落下・移動によるものと言われています。
(阪神淡路大震災の際には、家具による転倒や落下は実に46%ともいわれています! (参考)東京消防庁HPより)
特に注意したいのは、
- 本棚
- 食器棚
- 背の高い収納
- テレビ周り
逆にいえば、これらが倒れなければ、地震によるケガは大幅に減らすことができます。
原理はいたって簡単。
「物が倒れる」のは「重心」が底面の外に出た瞬間に倒れます。
だから、揺れで“傾きはじめる”のを止められれば勝ち、なんです。
おすすめの「今すぐできる」ゆる防災はこれ。
家具と天井の“すき間”を埋める
これです。
家にある 段ボールをキツめに挟む(まずはここからでもOK)
これだけでも、転倒のリスクは軽減します。
もちろん、チェーンや転倒防止グッズも併用すればなお安心です。
「え、そんなので?」って思うかもですが、ほとんどの転倒防止グッズは、この「重心が底面の外に出ないため」に作られています。
その中で一番手軽なものは、この「箱で天井との隙間を埋める」です。
この箱の中に、ティッシュや、軽いものであれば詰めておくことで、備蓄にも一役買いますね!
※ただし、この中に、重たいものは入れないでください!
③避難所では「段ボール」が最強素材になる

避難所って、「物資が届くまで耐える場所」になりがちです。
でも実は、現場には“使えるもの”が転がっています。
それが 救援物資の段ボール箱。
これで、段ボールベッドが作れちゃうかもしれません。
ちなみに、なぜ避難所でベッドが必要か?
それは、
- 床からの冷え対策
- ホコリ対策
- 体調悪化(いわゆる二次災害)予防
につながる“健康の土台”にもなるからです。
作るときのコツは「H字貼り」。
箱を閉じるテープを「H」の形に貼ると、強度がぐっと上がります。

これらを並べたら、簡単ベッドの完成です!
これができるためにも、できれば、避難リュックにクラフトテープを1巻入れておくと超便利です!
自分たちの分が確保できたら、余裕の分だけ周りへ。
お年寄りにベッドを作ってあげられたら…その日あなたたちは、避難所のヒーローです。
※実際にダンボールの強度を体験してもらったり、ベッドに寝てもらったりという工作を行います。
④「避難場所」と「避難所」…似てるけど別物です

ここ、地味だけど命に直結します。
- 避難場所:とにかく“逃げる”ための場所(公園・広場など/一時的)
- 避難所:家に戻れない人が“生活する”場所(学校・公民館など/一定期間)
さらに盲点なのがこれ。
避難所は、すべての災害に対して安全とは限りません。
津波には強くても土砂災害に弱い立地、など普通にあります。
だからこそ、
- ハザードマップを確認する
- 災害の種類ごとに「ここに逃げる」を分ける
これだけで“もしも”のときの迷いが激減します。
段ボールとは関係ありませんが、地図を見て、どこに何があり、どこが安全か?を親子でしっかり共有しておきましょう!
⑤救助の主役は、プロより「近所」だった

「災害が起きたら、消防や警察が助けてくれる」
もちろん来てくれます。
けど、こうした「公助」は、災害の最初のタイミングで助けてくれるとは限りません。
実は助け合えるのは…近くにいる人たちです。
平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災では、家族も含む「自助」や近隣住民等の「共助」により約8割が救出されているというデータがあります。
(参考)内閣府 災害情報のページ より
いかに「共助」が大切かが伺えます。
だから究極の防災は、特別な訓練だけじゃなくて「ふだん」の延長なんです。
同じ地域に住んでいる者として、地域のルールを守り、挨拶をしたり、地域の活動に出たりすることが「防災」に繋がる。
そう考えると、ご近所さんとの付き合い方も尊いものに感じてきますね!
一つ勘違いしてほしくないのは「助けてもらうために挨拶をする」という事ではないので、その点だけ注意してくださいね!
今日からあなたが、誰かの「ヒーロー」になれる
防災って、緊急事態の話や、サバイバルのような話に思えることがあるけど、本質はもっとあたたかいものかもしれません。
自分と大切な人が生き延びるための、生活の知恵なんですよね。
1.まず自分(家族)の命を守る(自助)
2.余裕ができたら、その力を少しだけ周りへ(共助)
これができる人が増えれば、もしもの時に、少しでも早い日常に戻れそうな気がしてきませんか?
今回お伝えしたのは、工作で、新聞紙でスリッパを折る、や、段ボールでベッドを作るみたいな小さなことでしたが、
その小さな行動が、困っている誰かにとっては大きな光になる可能性があります。
「誰かのために!」と肩ひじ張らず、まずは楽しんでみて、その事が誰かの助けになる可能性があるなら、是非取り組んでみてはいかがでしょうか。
防災講座は、自治体や企業でますます関心の高まる分野です。
私たちは、子どもと一緒に学ぶ導入やきっかけ作りに重点を置いた講座展開をしています。
お子様と一緒に、防災を考えるきっかけの一つとして取り組んで見られたい方は、お問い合わせください。


